lunatrium/fabula cella
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  • センチメンタル過剰
    アスファルトに寝そべった三人は、視界の新鮮な角度に感動していた。感じる夏の暑さは、酔いで膨れ上がっている。乾いていた空気は、もう深夜の闇でしっとりと濡れそぼっていた。音、闇、風、温度。その全てがピクリとも動かないので、太朗は時間の停止を錯覚した。
    「車、来ないな」
    彼は寝たまま呟く。ぼーっとしていると、視野が酔いのせいでゆっくりと揺れているのが分かる。そうやってふざけるには酒が入りすぎていると思うが、二人が動き出さないのに、自分だけ車道から離れるのも気が引けた。
    「駄目だあ。喉が渇いた」
    いち抜けた、と叫んで、貞夫が立ち上がった。彼は歩道へと向かい、コンビニの袋から缶ビールを出した。太朗は、助かった、と思った。酔った時の倦怠は、きっかけが無ければ払拭出来ないことを知っていたからだ。立ち上がり、貞夫と同じように酒を漁り出した太朗は、残りの一人、英樹がまだ立ち上がらないのに気付いた。
    「英樹、死ぬから止めろよ。酔ってんだからさ。こっちで大人しく飲もうよ」
    ビールや酎ハイの炭酸で腹が一杯になっていた太朗は、ワインの小瓶を掴んだ。彼が瓶のキャップを捻って外しても、英樹は起き上がろうとしなかった。貞夫もジーマを呷りながら、英樹に立ち上がるよう促した。
    「そんな死に方してもキレイじゃないぜ。高校生が酔っ払って轢死なんてよ、芸術の欠片も無いじゃんか」
    「……ジム・モリソンは、轢かれた死体を見たのが原体験だって言ってたぜ」
    英樹はようやく起き上がり、二人の近くに腰掛けた。
    「魂が抜けるところを親友二人に見せながら死ぬっていうのは……憧れるところがあるかも」
    独り言の口調で話す英樹を見れば、大抵の人が酔っ払いと思うだろうが、それは彼の平時の話し口だ。太朗はワインに思わぬ酸味を覚えて、瓶を英樹に突きつけた。英樹は笑って瓶を受け取り、事も無げにそれを飲んだ。
    太朗は腕時計を見た。思ったより時間が経っていない。酔った時は大抵、驚くほど早く時間が過ぎるのに。
    「酔っ払ってるのはお前だろ、貞夫。こんな時間に車は来ねえよ」
    先ほど、いの一番に車道に寝転がった貞夫は、チキンレースだ、車が通るまでこの場を離れないと言い出した。お前らもやれ、お前らもやれとうるさいので、太朗と英樹はそれに付き合ってやっていたのだ。
    英樹にからかわれた貞夫は、痛くもかゆくもない、という顔で笑って、話題を逸らした。
    「しかし、やっぱりこの面子で飲むといいねえ! 中学の頃、思い出すよ」
    三人は中学の同級生だった。三年間クラスを共にして、親友と呼ぶに相応しい間柄になった。高校はそれぞれ別々の所へ進んだが、頻繁に連絡し合い、遊び、休暇の時には酒を飲むようになった。
    この近くに大型のスタジアムが出来た時、田んぼや川の上を突っ切る二車線の道路が作られた。そんな目的の道路であるから、夜中に利用する人間は少ない。料金所を越えた道路の中腹は、誰にも邪魔されない、灰色の原野だ。地上から高い吹きっさらしも、夏の夜にはちょうど良い。
    眼下に広がる真っ暗な田んぼ、更地、川面を見て、太朗の背筋は少し震えた。急いで視線を道路に戻す。
    規則正しく並んだ外灯が、薄いオレンジの光を放っている。酔った太朗の目には、光が真っすぐに伸びているように見えない。
    あのケースの中に光るものがあるのではなくて、光が外灯に張り付いているのではないだろうか。蜂の巣のように。蛇口から垂れる水のように。重力に逆らわず、自らの重みを尻へ流して溜め込んでいるように――。
    「太朗、トんでるぞ」
    英樹にたしなめられるまで、太朗は外灯の列に目を奪われていた。

    「貞夫、今度のライブ、いつだ?」
    「再来週の木曜……もう英樹にもチケット渡したじゃんか! 覚えといてくれよ」
    貞夫は煙草を取り出し、柵から身を乗り出した後に火を点けた。太朗も英樹も吸わないことを気にしてのことだった。酔ってふらついて、柵から落ちはしないかと不安になった二人は、彼が落ちそうになったら急いで支えられるように、貞夫のすぐ後ろに座った。同じ思惑に気付いた二人は、嬉しくなって笑う。
    「太朗、『気狂いピエロ』観たことあるか」
    「うーん、タイトルしか知らない」
    「ゴダールの代表作だよ。観てみろ、ああいうのが芸術だと思ったよ。ナンセンスで、ひたすら美しくってさ」
    英樹は映画の話を続けた。彼の話が石井聰亙の「爆裂都市」に及んだ時、煙草の火を踏み消した貞夫が振り向いて、八十年代のジャパニーズ・パンクの話をし始めた。酔いのせいで熱っぽい語り口は、早熟な彼らの隠された幼さを顕わにした。太朗はまた腕時計を見た。先ほどと同じように、予想より時間が経っていない。彼はその訳を察し始めた。知識と技術、才覚に満ちた友人に緊張させられている。再会するたび何かを身につけ話してくれる友人を畏れているからだ。だから酒に酔っても、どれだけ楽しくても、流れるようには時間が進んでいかないのだ。太朗は自分の拙さを曝け出し、友人に軽蔑されるのを恐れた。彼らが自分と同じだけの時間しか生きていないことが信じられない、と思うこともあった。
    貞夫は中学の頃からベースを弾いていた。高校に入って、趣味の合う同級生とバンドを組んでいる。英樹は映画や絵画、文芸、漫画、様々な分野に明るい。自分がやりたい芸術を探すために、色々取り込みたいのだという。太朗は二人の話題に追従することは出来た。しかし彼らが持つ芯のようなものを、自分は持っていないと感じていた。二人と話すのは大きな刺激だったが、太朗にとっては自分の無力を知る機会でもあった。
    「やっぱり、二人とも凄いなあ」
    不意に呟かれた言葉を、貞夫も英樹も聞き逃さなかった。自嘲的な語気を汲み取った二人は、太朗を案じた。
    「どうした、太朗?」
    「酔ってんのか?」
     
    「いや……二人に久し振りに会うとさ、時間って残酷だなあと思うよ。俺が何にもやらないうちから過ぎていってさ。何か二人に置いていかれたような気持ちになるんだよなあ。情けない話だ、本当」
    冗談のような口調で誤魔化そうした太朗だったが、二人の眼差しが存外真剣で、酔いが少し引くのを感じた。自分の失言に気付き始め、恥ずかしさが太朗の中で燃え上がり始める。貞夫と英樹は何も喋らず、沈黙が続いた。
    静かな時間が続くほど、会話を再開しづらくなっていく。太朗はこの沈黙を作ったことを強く悔やんだ。
    貞夫は、柵に背を凭せ掛け、視線を宙に浮かせて話し始めた。
    「楽器やってると分かるけどさ。塵も積もれば、って本当だよ。身につけたい技術は、ちょっとずつしか身につかないんだ。努力は時間の上にしか成り立たないって、最近気付いたんだ」
    貞夫は、嫌味っぽいかな、と訊くように英樹の顔を見た。英樹も似たような気まずさを覚えて、太朗から目を逸らして言った。
    「時間って、過ぎていくものじゃないだろ。そう思うやつは、自分で時間を突き放してるのさ」
    二人の言葉の含蓄に、太朗は驚いた。何故同い年の人間に、こうも胸を打つ叱咤が出来るのか不思議だった。
    そして太朗は、彼らが自分を励まそうとしていることがすぐに分かった。矜持の無い自分の言葉に呆れず、助言してくれる二人の存在が嬉しく、申し訳なかった。
    「英樹は言い方がきつ過ぎる。俺もまあ、的は射てないかもしれないけど」
    「いや、俺だって励ましたくて言ったんだぞ……。でも、確かに言い方は悪かったな。ゴメン、太朗!」
    太朗は堪え切れず、泣き始めていた。彼の酒が回った目に、涙が染みる。涙の刺激で、また涙が溢れる。
    時間がゆっくり流れるのを、太朗は初めて肌で感じていた。二人に置いていかれないよう焦っていた時とはまるで違う、とろとろと緩慢な時間の流れを。酩酊による判断の鈍化も、自分の情けなさも、二人の親友の気遣いも、その緩やかな流れの中で、はっきり認識することが出来た。
    時間とは世界そのものなのではないかと、太朗は思った。誰の周りにも平等に存在して、人間はその中で生きていく。そう思うと太朗は、貞夫にも英樹にも誇れる何かを、自分も身につけられる気がした。自分より優れた存在と自分とは、同じ「時間」に生きているのだと初めて気付いたからだ。彼の涙はすぐに止まった。
    眠らずにいる夜は、過ぎていく時間を眼に映らせることがある。そんな夜の出来事だった。
    【2007/05/31 09:33】 短編モノ | TRACKBACK(-) | COMMENT(0) |

    暗いところからの手紙
    朝、手紙を受けて、僕は少しずつ平静を喪っていった。頭が傾いで、何か苦いものを口に入れたくなった。僕は封筒を自分の鞄に押し込むと、コーヒーを淹れ始めた。水が熱くなる音で、藤沢が目を覚ましたようだ。
    「二人分?」
    藤沢は、はっきり覚醒した調子で訊ねてきた。僕は頷いたが、彼女はこちらを見つめていなかったようで、強い調子でもう一度、
    「私も飲みたい」
    と言った。僕は声を出して答えた。
    熱くて濃いコーヒーを一口飲むと、一気に胃が惑乱した。流しに走ったが、吐く物は唾液ばかりだ。
    「昨夜、そんなに飲んだ?」
    肌着一枚きりの藤沢は、寒そうに毛布を巻きつけながら、コーヒーを冷ましている。昨日の酒気は、ほとんど体に残っていない。だが先程の手紙は、僕の身体の均衡を崩した。
    封筒には写真が数枚入っていた。義理の兄からだった。姉を娶った男だ。僕とは中学の時、同級だった。写真には姉の痴態が写されていた。そうは言っても、局部や乳房が写されている訳ではない。善がる顔、白く細い腰に、自分が吸って付けた跡……。下手ではないが、上手くもない写真にそれらが収められていた。
    吐気が鎮まり、眠気が消え失せると、空っぽの胃に水道水を流し込んだ。酒を飲んで身体が本当では無いからか、水の味気無さが口の中にべっとりと張り付いてくる。そのくせ薬品の匂いは強く立ち上がっている。恐らく何を摂っても快くないだろう。僕は粘ついた唾を必死に吐き続けた。
    「下品。止めてよ」
    藤沢はコーヒーを無表情に啜っている。不快そうな物言いが妙に心に張り付く。感情全体が汗をかいて、色々な刺激がまとわり付くような気がした。
    僕は唾を吐くのを止めながら、姉への悲しみが輪転するのを、はっきりと認めた。美しい姉が野卑な男に汚され、それを彼女自身が求めているのが悲しかった。それ以上に、汚らしい接触の証拠が、郵便というシステムで送られてきたことがおぞましかった。綺麗な姉の姿態が汚された証拠が、別段目に触れるでもなく職員の手に触れ、機械的に運ばれ続けたことが。見も知らぬ人間に、自分の何かを気取られるような気がした。僕や義兄の思いが滓になって、手紙に係わった人間に付着して、その思いの正体に近づかれるような気色悪さが続いた。
    義兄は姉と付き合い始めた時、僕に言った。
    「双子は分身だって言うよな。あの女を汚せば、お前も汚れた気持ちになるんじゃねえのか」
    藤沢はコーヒーを飲み終えた。カップを流しで簡単に洗うと、僕の顔を覗き込んできた。
    「凄い顔色……」
    彼女は笑いながら、僕の口端にきらめく唾を指で拭った。それを僕の喉ぼとけに塗り付けた。ヌルヌルとした質感が、「濡らされている」という事実を強調している。
    「朝は郵便の時間ね」
    藤沢が出した「郵便」という単語は、僕を強く動揺させた。
    「原付が自分の家に停まって、誰かから送られてきた手紙を置いていくのって、とっても朝に似合う。朝って無防備だから似合うんだわ。警戒するべき夜が終わってすぐだから……」
    眠っている人が多いしね、と僕が返すと、藤沢は満足そうに笑った。

    あれから何年も経ち、義兄と姉とは別れた。義兄は何かをキッカケに僕を恨み、復讐として姉を汚していたのだ。そんな結婚が幸せに続くはずはなかったのだ。キッカケというのは、僕は知らない。僕にとっては些事だったのだろう。彼は人への感情を露骨にし、決して遠慮しないところがあった。僕はそこを真剣に嫌っていた。勿論、それから姉の写真が送られてくることは無かったが、藤沢が言った言葉が心に残ってか、僕は郵便が来る時には起きていないと気が済まない。自分が寝ている所に郵便が来るのが恐ろしくなった。そして原付が家の先にいると、今明かしたような出来事を思い出し、藤沢に恋をしていたのではないかという気になる。あの朝も、その前の酒を飲んだ夜も、彼女を抱きたいとすら思わなかったのだが――。
    【2007/05/31 09:28】 短編モノ | TRACKBACK(-) | COMMENT(0) |

    ジュブナイル
    どうして子供は、度胸の無いやつを馬鹿にするんだろうな。いや、俺の話さ。よく馬鹿にされたよ。誰かに叱られるような遊びは、避けようとしたからさ。親の躾が厳しかったせいか、怒られたり叱られたりっていうのが、本当に恐かったんだ。イメージ湧かないかもしれないけど、嘘じゃないぞ。

    広い庭がある家が、近所にあってね。昔からの金持ちの家らしくて、周りには空き地が多かった。そこで遊んでて、庭の中に、ボールを蹴りこんじゃった事があってな。実行犯の俺が取りに行くのが筋だと思うだろ。でも、行けなかった。忍び込んで見つかるのも恐かったし、素直に謝ってもし怒られたら、って思うと、それも出来なかった。そんな理由で渋ってるやつなんて、面倒くさいったら無いよな? 自分でもそう思うよ。小三でそれだからな。
    結局ボールは、友達の一人が忍び込んで取って来てくれた。幼稚園からの付き合いで、いいやつなんだ。子供の頃はたまにいただろ、顔も頭も運動神経もいいやつ。大抵、そういうやつは性格もいいんだよ。
    甘えてるのが恥ずかしくて、その後泣いた。そしたらその友達が、晴っていうんだけどな、天気のハレって書いて、セイって読むんだ。晴だけ慰めてくれるんだよ。居たたまれなかった。
    泣いてる時って、なんであんなに辛いんだろうな。触られても慰められても、たまんなくなる。

    小六の夏休み、晴の親父さんがキャンプに連れてってくれたんだ。新潟だったかな。晴と親父さんと俺と、あと俺たちのクラスの友達二人。その二人は、俺のことは好きじゃなかっただろうと思う。行きの車内でも、俺と話すのは晴と親父さんばっかりだった。楽しいのと同じくらい、不安だった。
    キャンプ場に着いたら、いっぺんに興奮した。今でもうまく説明できないけど、新鮮だったんだよ。多分、匂いとか湿度とか、そういうものが自分の暮らしと全然違うからじゃないかな。そばに小さい川があって、四人で遊びに行った。砂利の川辺は日光で熱かったけど、川の水はそれを忘れるぐらい冷たかった。
    皆が水の冷たさに慣れたら、砂利に座り込んだ俺に、晴が話しかけてきた。晴は向こう岸を指差して、あの木から川に飛び込もう、って誘ってきた。向こう岸は切り立った森だったんだ。裸の胸が苦しくなった。
    何で晴がそんな危ないことを言い出すんだろうってな。飛び込むって動作が恐ろしく思えて、緊張した。でも、さっきしたボールの話。あれが頭に浮かんだら、頷いてた。似たようなことはその間に何回もあったから、ずっと申し訳ないとは思ってたんだ。そういう気持ちが溜まりに溜まってたんだな。
    晴は嬉しそうに川の方に進んでいった。俺も後に続いて、向こう岸を目指した。冷たい川を渡る間もビクビクしてた。湿った土を手で濡らしていく感触と匂いが忘れられない。晴が登っていくのを追いかけてたら、
    俺たちの行動に気付いた二人が、晴だけを呼んだ。
    晴は飛び込みのことを誤魔化して、見てて、とだけ返した。それから俺を見て笑った。緊張の中ちょっとだけ、初めて悪戯をする喜びっていうか、危ないことをする楽しみを感じ始めてた。
    木と言っても、そんなに大きい訳じゃない。斜面から真横に伸びた、太いけど短い木だった。晴に助けてもらって、木の上に立った。予想以上に高くて、すぐ座り込んだけどな。下にいる二人は、俺たちの目的が察せたのか、二人で話しながらこっちを見てた。きっと俺が飛べるか訝しがってただろう。
    もうその時は恐くて恐くて、ずっと俺は木の上で暮らすことになるんじゃないかと思ったよ。飛べる気が全然しなかった。でも晴が、せえの、で一緒に飛ぼう、って言った。それを拠り所にすれば、何とかなるかもしれないって思った。「の」で飛ぶんだよね、「の」の後に一拍置かないよね、って必死に確かめた。晴も呆れてたかもな。
    ……緊張のせいかな、日陰の涼しさとかセミの声、木の皮と土の匂いが、今でも本当にクッキリ思い出せる。
    晴が、せえの、って叫んだ。堅い木の皮を裸足で蹴るのは、そんなに痛くなかった。目を瞑ると斜面に直接落ちそうで、思い切り目は開いてた。飛んだ後の視界は、走る電車の窓みたいだった。飛び込んだ瞬間の感覚は一生忘れられない。水面を足から砕いた時の冷たさとか、潜っていきながら落下のスピードが弱まる感じ、潜り切ったとき、足より先に胸が冷たいと思ったのも覚えてる。葉っぱの色が移り込んでるのか、水中の世界は緑色だった。水底が光を湛えて、砂利を写真みたいに保ってた。
    呼吸を思い出して水面から顔を出したら、晴が、飛べたじゃん、って笑ってた。水の冷たさと光の熱さでくらくらしてたけど、俺は晴に笑い返せた……と思うけど、多分不細工な顔だっただろうな。川辺の二人は、今度は俺と晴の名前を呼んで、すげえって興奮してた。晩飯の時に晴の親父さんにそのことを言ったら、頭を撫でながら褒めてくれたよ、度胸あるなって。
    それから目に見えて出来ることが増えてった気がする。自分がやりたいこと、正しいと思うことをするようになった。
    でも高く飛ぶだけならどこでも出来ると思うだろうけど、そうでもないんだ。いや、晴が一緒ならって意味でもなくて。きっと、体育倉庫から地面に飛んだりは出来なかった。ジャングルジムの一番上からも飛べなかったと思う。土を登って、木を蹴って、水に向かって飛んだから気持ち良かったんだって、今じゃあ思ってる。
    物凄く大きなものに向かってなら、恐くても飛び込んでいける気がするんだ。たとえ一人でも。
    【2007/05/31 09:25】 短編モノ | TRACKBACK(-) | COMMENT(0) |